若い頃は色々模索して、思春期とかもあったりなんかして、頭も柔らかかったし、色々な音楽が聴けた。でも今はすっかり頭がカタい。
 「新潮文庫の100冊」というのが、よく夏に出ていますよね。
 もう17〜18年前のことだけど、その100冊を紹介した小さな冊子があって、中に小さなコラムがあった。椎名誠さんが書いていました。「やがてバカとなる日のために」という文。
 もう随分前に読んだのに、よく覚えている。
 20歳超えたら、グンと興味の対象が狭まって、読む本も偏ってくるから、10代の今のうちに読んでおいた方が良いよ、という内容だった。当時17〜18歳だった私は「フーン、そういうもんなのかなあ?」と、とても印象に残ったのだ。その頃の私は、何を読んでも面白くて仕方がなかったからだ。
 はてさて、年を追う毎に、その言葉に納得です。
 そしてそれは、本だけじゃなく、音楽も。
 正確に言えば、あらゆることにおいてですね。
 10代の頃、色々なジャンルの音楽を聴いてみていた。今じゃほとんど聴かなくなったポップミュージックも楽しんでいた。流行の曲もねぇ、楽しんだものだよ〜。
 それは、音楽ということより、生活を楽しむために聴いていた気がする。
 それもそれで楽しかったし、今聴くと、とても懐かしい。その時の気持ちがパーッとよみがえってきたり。確かにあの頃の方が、頭が柔らかかったなあ。今じゃ固くなってしまって、偏った音楽しか聴かないもんなあ。振り返れば、確かに確かに、20歳頃から、その偏りが見え始めている。

 もう少し年を取ってくると、またこだわりなんかが減って、今よりは自然に色々と聴けるようになるのかな。それもそれで楽しみ。