多くの心理学の本で、当たり前にお目にかかれることがある。
 子供の成長に関して「乳幼児の時から、子供は‘自立’と‘依存’を行ったり来たりしている」とのことだ。
 実際、子供を見ていると、本当に自立と依存を行きつ戻りつしている。昨日できたことが、今日からもずうっとできるわけではない。それに、自分でやってみて失敗すると泣いたりなどの手段で依存してくる。
 そうした時の依存に、親は全面的に応えると良いそうだ。
 例えば大人の場合、自立と孤立を勘違いしやすい。人は、ある程度、人に依存しなくては生きていけない。一人で頑張れる!と無理している人は、単に孤立していると言える。なので、本当の意味で自立している人は、上手に依存もできている。そして子供時代にしっかり親に依存できた人が、大人になって親から真に自立するそうだ。親からの偽りの自立は、いつまでも心に、親への依存をもたらす。大人になった今からでも遅くない。依存できてなかったと思う人は、親に精神的に甘えて、感情をぶつけると良い。それに対しての結果が喜びになろうと挫折になろうと、親への甘えを言葉で表現することは、次の自分の足での歩みにつながる。
 さて、子供の心はと言えば、いつだってお兄ちゃんやお姉ちゃんになりたくて頑張っている。泣いている時もそうだ。うまくできない自分、お兄ちゃんやお姉ちゃんのようになれない自分に悔しがって泣いていることも多い。
 そんな子供が、甘えたいとやってくるのだ。それを超えなくては、ただの我慢となり、甘えたい気持ちだけがうっ積し、自分の気持ちを誤魔化しながら大きくなっていき、真に自立していけなくなる。
 甘えたい時というのは、ほんのわずかだ。甘やかすのと違うのはわかりますね。物質的欲求、人を思いやれず自分をただ優先する気持ち、言葉で表現できないことを先回りしてやってもらう、そういった気持ちを満たすのではない。甘える時、その時の気持ちは「お父さんお母さん、話を聞いて」「今自分の方を見て」「抱っこして」「ひっつかせて」「ちょっと実験させて(明らかに危険ではない時に限り)」など。違いはわかりますよね。
 また、「甘え」に関しての細かいことは追々書いていこう。