■
息子の体質は、夫そっくり。 副鼻腔炎になりがちなところや、軽度のアレルギー持ちで、疲労がたまると喘息に似た症状を起こすところなど。 他にも色々あるけど、何しろ私が、かなりの軟弱者なので、息子の看病が大変。辛いの何のって。いつもヘロヘロですわ。
ところが、親子して丈夫じゃないってわかっているのに、私は子供の幼稚園の行事を、ついつい楽しみにしてしまう。自分も丈夫じゃないために学校の行事に出られないことが多かったし、そもそも帰国子女なので、日本の幼稚園てどんなことするのか知らないし。
で、初めての秋のお遊戯会も、ついつい楽しみにしてしまっていた。
息子も、「○日は、父さん母さんと一緒に文化センター行って、僕はタヌキさんになって(演じて)、それが終わったら父さんは仕事行って、僕は母さんと車で帰るんだー。」なんて言って楽しみにしていた。もちろんウチでも劇の練習をしてみせてくれていた。……のに!
また風邪ひいちゃった。
休んじゃった。
風邪がひどくて、どうしても行くことができないとわかった当日の朝。
考えるのも悲しいのか、話題にしない息子を前に、私はあからさまに気落ちしていた。息子は、そんな元気のない私に、朝っぱらからギャグを一生懸命やってくれた。
「ちょっと!ちょっとちょっと!」
ザ・たっちね……でも、そんなもんじゃ元気出ないわよ。お母さん、伊達にお笑い好きじゃないのよ。 最近「チョップリン」のDVDを観て衝撃受けたんだからね。
「見て見て。二つの手で…… ちょっと!ダブルちょっと!」
さらに息子は、頑張って独自のギャグを作って見せてくれている。
「……。フフ。」
ちょっと笑った私を見て、調子に乗った息子は、服に着替えながら、上半身裸になり
「カッチカチやで〜!」
と、肘をたたきだした。
……!!何でそんなギャグ覚えてるの。よりによってザブングルなの。あはは。しかも筋肉じゃなくて肘たたいてるよ。あはは!
そしてさらに。
「ダブル カッチカチやで〜!!」
ここでとうとう吹き出してしてしまった。
難しいですよね。同時に自分の両肘をたたくのは。息子は何とかそれをやろうとして、難しいことが判明すると、ちょっと恥ずかしそうに笑いながらも、まだへこたれずに挑戦。そのうち指が目に直撃し、「痛い!ウハハハ!」と爆笑してみせてくれました。
あはは!ありがとう。ちょっと元気出たよ。
しかしこの日の晩、くだらないことをきっかけに、まー随分と泣きましたよ。大号泣。朝の分ですね。きっとホントは、朝も「今日はタヌキさんやりたかった」っていっぱい泣きたかったんだろうな。