子供ができて、成長ぶりを目の当たりにすると、人はこんな風にして、こういう行動を身につけ、精神状態をはぐくんでいけるのだと知る。
 しかし、自分が実際に子育てをしながら、また少し成長してからでも乳児を持つ親を見ていて、少し気になることがある。
 「早いのが良い」という風潮だ。最近特に強いのではないだろうか。
 首がすわった、なんごが出た、座れるようになった、寝返りした、ハイハイできた、つかまり立ちした、歩けた、走れた、喋れるようになった、オムツが取れた……一連の成長過程。
 さらに、もう少し大きくなっても○△ができるようになった、ってつまり、大人だと誰もが当たり前にできることを、いち早くできることを良い事だと思っている人がとても多いということだ。そうでないと焦り、自分の子がそうだと必要以上に自慢に感じる。
 かく言う私も、やたらに足の力の強い息子、0ヶ月からなんごを話す息子に、淡い期待を抱いてみたものだ。しかし、その期待はあっという間に打ち砕かれた。そして「早いのが良いのか?!」と疑問を持ち始めた。色々本を読みあさった結果、
 「今の時代、ゆっくりの方が理想」
 という考えに行きついた。
 何でもかんでも早くしようとして数ヶ月、数年早かったところで、大人になるとそんな基本的な行動は横並びだ。