様々な心理学やカウンセラーの本を読み始めて、二年位になる。 
 心理学と言っても、家族、親子関係などを手に取ることが多いので、それほど専門的なものは少ない。さらに、親子関係においては近頃はエッセイ漫画も出ていてますます読みやすくなっている。心理学に抵抗を感じる人は、是非そういった漫画をおススメします。乳幼児の心理学の中でも結構重要な内容をわかりやすくまとめてくれていて面白い。
 周りには「勉強始めたんだ〜」なんて言いつつ、ただ本をひたすら読んでいるだけなのだが、ついこの前読んだ本『心の痛みのセルフコントロール』(ジョン・プレストン著 大野裕監修 岩坂彰訳 〜創元社〜)がとても興味深く、是非その一部を、私の意見を交えながら紹介したい。
 主に、人の持つ心の傷について、がテーマだ。
 例えば虐待に関しても、世間にわかりやすい「暴力、言葉の暴力、ネグレクト」ではなく、どういったことが虐待として分類されるか、細かに書いてあるし、一般的に、人は簡単に虐待していないのだなと感じさせられる。特に言葉の暴力に関しては根が深く、自覚していない人もいるかもしれないし、そのまま大人になっていざ子供を育てる時に辛い感情がわきあがってくるかもしれない。
 その境界線は「継続性」にあると言う。単発的に感情をあらわにしたり怒ったりすることは、虐待に入らないそうだ。(*もちろん手を出したり、ひどく傷つける言葉というのはまた別の種類に入ります。)
 何故かと言えば、それが人間というものだからだ。人は感情的になったり怒鳴ったりする親を見て、外で生きていく術を身に着けるらしい。だから「まあまあの親」が一番だと書いてある。なんて救いの言葉!
 完璧な親は子供に返って悪影響だと言う。完璧と言っても、どう完璧なのでしょうね。子供の言うなりの親も完璧ではないし、まあ子供にとって理想の親というより、育児書や心理学の本に書いてあるような教科書通りの親ということでしょうか。
 子供にしてみれば、えっそんな反応するの?!えっこれで怒られるの?!しかもそんなに感情的になっちゃって……なんて、言葉にはならないけど、そんな気持ちになることが多いでしょう。まあ親が冷静に対応しようと思っていても、つい本気で怒ってしまう場合などですね。そういうことがあってこそ、子供は社会で生きていけるのですよ、ってことでしょうね。
 まあ、教科書通りと言っても、そもそもそういう親はなかなか存在しないそうで。