少しだけ、ゲームのことについて書くことにした。あまり詳しくないのだが、そんなこと言い出したら、他のあらゆるカテゴリーも中途半端な知識なので、まあ良い。
 ゲームと言っても、今は、DSやスマートフォンなどの携帯型、パソコンでデータを取り込んでのゲーム、テレビの画面に映してできるプレイステーションWii、今ではニンテンドースイッチなどがあるが、昔はもちろんそんな物は各家庭になんかなくて、ボードゲームやカードゲームが家族で遊ぶゲームであった。父方の祖父母の家にお正月行けば、花札百人一首を、勝手に引き出しから取ってきて、皆で遊んだ。
 家では、モノポリーやすごろく、かるたやトランプ、オセロ、ダイヤモンドゲーム、英単語をつなげるスクラブルやハングマンでよく遊んだ。特にハングマンがものすごく好きだった。父も母も上手に遊んでくれたように思うが、ダイヤモンドゲームに関しては、何故かあまり手加減されず、私は負けるとものすごくプリプリ怒った覚えがある。
 こんなだから、息子とモノポリーなんか始めると延々続いてしまい、二人して疲れ果てることが多かった。息子は今になって「手加減しないで早く済ませて良かったのに」と言う。続いた方が面白いし、息子が負けると手が付けられないほどグズるので、面倒だったのだ。それにちょっとした手加減でまさかそんなに延々続くと思わなかったのもある。それに、あまりに無策な息子を見ているとどうしても手加減せずにはいられなかった。だって始めた当初って、まだサイコロも数えられなかった幼稚園生の頃なんです。二つのサイコロを投げると、ヒシと覆いかぶさるようサイコロにしがみつき、表に向いている点々を「1、2……」と数えていた。可愛かった。
 息子とは人生ゲームも散々遊んだ。これは手加減も何もできなかったが、これまた息子は大好きで、「給料日」はお金がもらえて嬉しいし、当時の息子の「素敵な言葉の音の響き」になったようで、自分で作り出したカードゲームでも「キューリョービ」という言葉を作り出して遊んだ。しかしそのカードゲーム、「キューリョービ」に対応する言葉が「我慢」なので、それを新幹線でやられて恥ずかしい思いをしたことは、周りの方々にも知られている。大きな声で「給料日!」「我慢!」「我慢!」「給料日!」と繰り返す息子を、止められなかった。下手に止めると、無邪気に大きな声で「どうして?いつもは遊んでくれるのに!」とか言いそうで、笑いをこらえながら小さな声で一緒に遊んでやるしかなかった。それでも時々「うふふん」と私の笑い声がもれてしまうし、声が小さいので「どうして声が小さいの?」とか「何で笑ってるの?」とか聞かれちゃうのだ。本当に恥ずかしかった。我が家で自分が給料日だの給料日まで我慢よなんて言ったことないんだけどなあ。ああ周りの人はなんと思っていたか。
 トランプもやった。ババ抜きは、私の父がやっていたように、カードをひいてもらう時に、一枚だけ上に出してみたり、息子が引っ張りかけたカードをわざとギュッと持って引かせないようにして息子を喜ばせた。自分がそういうことをされて、キャッキャと笑って喜んでいたことを自分の子供にやって喜ばれるのは至福のひとときである。息子も是非自分の子供とそんな風に遊んでほしい。