暖冬のせいか、はたまた近所の広大な敷地が工事中だからか、家周辺の今シーズンの野鳥は、例年と見え方が違った。
 まず、冬も早いうちからシジュウカラの群れを見た。ツイーツイーというか細い声を追うと、群れが飛んでいた。そしてその数日後、近くの公園にシジュウカラがいた。もっと後に、家の前の電線から裏の家の木までシジュウカラが飛んでとまっているのを見た。コゲラの声も近所で聞こえた。ツグミも、もうありがたくなってきたくらいに、あちこちにいた。近くで見ると、色合いがとても美しいのに、ちょっと遠目で見ると地味な鳥だ。でも大きさ、茶色い胴体と目の黒い線、白いお腹でわかるようになった。
 さらに、家から30分ほどの道路を歩いていたら、ある家のそばの木に聴き慣れない時の鳴き声がするので目で追うと、二匹ちょこちょこと木の枝を移動している。緑色な気がするので立ち止まり、目をこらしてみたら、メジロだった。目の周りの白もしっかり見えて、二匹も見つけたことに感激した。ただどうでも良いのだが、メジロはちょっと遠目で「ビックリ目!」に見えるくらいが可愛い。実はメジロ、目の周りの可愛い白の縁取りの中が可愛い黒目なのかと思いきや、アップで見ると、白目がすごく黄色くよどんでいる。そもそも鳥に白目があるのかどうかも疑問なのだが、白の縁取りの中に黄色くよどんだ目玉があって、その中にやっと小さく黒目がある。カレンダーでアップを見ると可愛くない。
 そして今シーズン一番の盛り上がりは、「ウソ」である。嘘ではない。ウソという鳥の名前である。夫を職場に送っていく途中、鳥の群れに出会った。この時期なら、もっと南や西にいるスズメとよく似た「アトリ」という鳥の大群が、今年はこの辺りで見られると地方のニュースで言っていた。丁度その日、私も似た場所で鳥の大群に、車のスピードを緩めて少し見てしまったので、もしかしたらあれもアトリの大群なのかなと思った。ムクドリにしては小さかった気がするので。
 それで、今回もアトリかなとちょっと期待を寄せて見た。「これでムクドリだったらガッカリだ」とか言いながら。ムクドリも随分下に見られたものだ。しかしよく見ると、群れはスズメだった。「スズメか」と言いながらふと斜め前を見ると、ムクドリからツグミくらいの大きさの鳥がいる。すると白のようなグレーのようなふっくらした体が目に入ってきた。「あれは違うよ!なんて言うんだっけ。ウソ?イカル?シメ?」頭の辺りは黒い。羽に白い模様が見える。なんだっけあれは。……家に帰ってから調べてみたら、どうもウソのようだ。嘘ではない。鳥のウソですって。多分、首周りの感じからメスのようだった。あの体の色は美しかった。あと思ったより小さかった。
 その後、別の場所で、今度はオスのウソを見た。また「ツグミ??……にしては小さいな」と目で追うと、美しい白みがかったグレー。あっと思ったら林の高い木だが真上にとまり、下から見上げることになった。この時は、グレーの体以上に美しいピンク色が首の下側に見えた。キレイ!!感激した。
 そして夫に「いやあ、この辺は色々いるね!カワウソとか!」と言いまつがいました。「カワウソはいないよ」と笑いながら冷静にツッコミ入れられました。カワセミでした。