この夏は、夫の実家のある北海道に行った。そのうちの支笏湖畔での一泊を、とても楽しみにしていた。
 以前、夫がそこの宿で泊まった時に、朝食会場から野鳥の餌台が見えるようになっていたと話していた。それを是非見てもらいたいと。それがとても楽しみで、朝食の時に窓側の席が空いていると良いなと思っていた。
 当日、端の方だったが一つ、窓側の席が空いていた!
 餌台は、2つあった。でも、私たちはいつも朝食を締め切るギリギリの時間に行くので(単純に寝坊で)、そんな時間にもう野鳥は餌を食べに来ないのではと思っていた。ただその餌台が、すぐそばにあってそれだけで嬉しい気持ちになった。野鳥が来るとしたらこんなに近くで見れるのか。というのと、こういう簡易な物でも来るんだあという気持ちと。でも、簡易な物でも作る段階でも作った後でも、意外と厄介で面倒だというのも知っている。
 そしてそんな時間帯ながらも、朝食を食べながらふと餌台を見ると、野鳥が来た!
 「あっ!ゴジュウカラだ!」
 とか、結構いつもの大きさの声を出しても、窓越しなので、野鳥も逃げない。「ホラホラホラ!!」とかまた大きな声で指さしても、逃げない。ゴジュウカラは、その後も何度かやってきて、私たちの目を楽しませてくれた。夫も息子も「可愛い!」と感激していた。
 チェックアウトしてからも涼しかったので、湖畔を散歩することにした。ちょっとした林になっていて、そこでも野鳥が観察できると言うのだが、歩いているだけで、色々な鳴き声がして、わくわくしてくる。一生懸命目をこらすのだが、野鳥が見つからないことがほとんどである。
 コゲラを何羽か見つけて「可愛いね〜」と言い合ったが、コゲラは何度か見ているし、感激は少ない。聞いたことのない鳴き声の元を知りたい。パサパサっと時々木の間を飛び交うのだが、逆光でその姿をきっちり確認できない。「なんかいるね〜」程度である。
 しかしその後、私はとうとう夢にまで出てきた「アカゲラ」を目にすることができた。鳴き声もせず、何となく鳥の影を追いながら、木を見上げた時だった。「はあっ!アカゲラだ!!」ささやくように言って、夫にほぼ同じ場所に立ってもらい、目線を合わせて指を差したが、どうしてもわかってもらえなかった。夫もとても残念がっていたが、大きさ、羽の模様、胴の下の方の赤色で、アカゲラと確認できた。すごーい!生まれて初めてアカゲラを見た。感激!!姿を確認できなかった夫も、木のコツコツ音は聴くことができた。すごいねー。可愛いねえ〜。
 非常に満足でした。
 そう言えば最近、夫が『鳥ビア』(鳥くん 永井真人著 アスペクト出版)という本を買ったので私も読んだのだが、つくづくこんな程度で「野鳥好き」を名乗るものではないと謙虚な気持ちになった。ホンモノってすごいですねえ。まあでも可愛いと思ってしまうので、好きは好きなんですけどね。あと、どんな趣味でも集まりでも、周りの人や自然に対して迷惑を考えないのはいけませんね。