壁や天井の柄も、何とか決めなくてはいけない。
 1階の大部分は、珪藻土で少し荒めに塗ってくれるとのことだったが、天井やリビングダイニングの壁、台所の壁なんて、正直、白か、オフホワイトか、アイボリーか、クリーム色か、細かいでこぼこか、もうちょっと細かいでこぼこか、荒いでこぼこか、つやがあるかないか、なんて、見ても、どうだっていいし、どう違うのか「わからない」というのが、正直な感想だ。どうだっていいけど、決めなければいけない。
 「わからない〜〜。」
 何度もうめき、夫に大体の希望を聞いて、その中から幾つか候補を選んだ。その候補からさらに絞ってもらおうと、だいぶ夫任せになってきてしまった。
 洗面所とトイレだけは、防水性の、汚れが取れやすい物を選び、オシャレとかなんかわからない中、やっぱり愛らしくしたかったので、ちょっとラブリーな感じの物を選んだ。トイレにこもっている時くらい、リラックスして、ほんわかした気分で入りたいのだ。
 なんで?
 いや、わからない。
 もう何かにつけて選択肢が多すぎてわからないので、あまり何でなのかとか、それが本当に良いのかとか、オシャレだと思っているの?とか、聞かないでいただきたい。
息子の部屋だけは、息子が全部コーディネートした。私も、子供の頃、自分の部屋が初めて与えられる時に、自分で好きな壁紙を選ばせてもらい、その彩りがいまだに好きで、実家に行ってその壁紙を見る度に「可愛い配色。これを選んで良かったな」と思うのだ。
 息子はなかなか斬新な壁紙を選んだ。しかも、一面だけ色を全面変えて、独自の面白い感覚を持っていると思った。ちなみに後で話が出てくるカーテンも、自分で選んだ。これも、大胆な模様なのだが、部屋の色ととても合っていて、へぇ、そういうセンスはあるんだと思った。個性的な部屋に仕上がって、息子は満足したようだった。
 そしてドア。建築屋さんが、予算内の物を幾つか見せてくれたので、その中で決めた。それも、正直言って、よくわからなかった。どれでも良い。まあ良く言えば、どれも良い。素敵な物ばかり。でも、値段が違うじゃないか。予算内といえども、値段は参考になった。あとは、色。
各部屋のドアの色も、すっかり困惑気味な私たちを見て、建築屋さんが決めてくれた。
 クローゼットの扉もどんな感じか聞かれ、出来上がりつつあるよその人の家を見学させてもらった時に「こんな感じで」と適当に決めてしまった。取っ手の場所まで聞かれ、そんなのどっちでも良いと思ったが、とりあえず、決めなければいけなかったので、「こっちですかね」と適当に言ったが、これは失敗した。逆側だったなー。まあ良いや。