前回、ホオジロのことを書き、最後の方で、ちょこっとホトトギスのことを書いた。
 それから数か月、冬がやってきた。(と、いうこの文章を書いたのは数か月前のことです)
 冬と言えば、この辺りでは、雪が積もる。まあまあ積もる。積もらない年もあるし、積もっても、札幌に住んでいた頃よりずっと少ないが、まあ結構積もる。
 積もってくるのが年末の頃なので、年末年始のウキウキした気分を通り過ぎると、楽しみなのは、せいぜい夫と息子のスキー。に、ついていく時間。何度かここで書いたことがあるが、私はスキーが嫌いだ。苦手以上に、嫌いになってしまったのだ。一人ぼっちでついていけない感じ。風がビュービュー吹き付ける中を孤独に滑り降りていく感じ。斜面が崖にしか見えない感じ。板を付けても歩くのが遅いし、外しても歩きにくいし、寒くて冷えるし、怖いし、スキーをする女性を尊敬する。で、何でそれについていくのが楽しいのかと言えば、家事から解放される時間だからである。スキー場に行き、そこのカフェとか食堂に入って、こういうエッセーを書いたり、本を読んだり、やらなければいけない雑事の中で、外でできることを選びそれを持って行くと、めっちゃ集中できるのだ。だって、他に何もすることないからね!
 でも、正直、それ以外に楽しみがなかった。
 昨年までは。
 ホオジロとかホトトギスがいなくなってからしばらく、数か月間だろうか。夏から秋にかけて、鳥があまり見られない。せいぜい駐車場にいるセキレイ、田んぼにいる雀とかカラスとか鳩くらいで、それこそ、住宅街の鳥なんてそれくらいしかいないのでは?と以前思っていた程度の鳥しか見られない。
 猛烈に関心をかきたてられた昨年から、初めての気持ち。 
 「野鳥が少ない」。
 これが、こんなにさびしくなるとはーー!!
 そうすると、鳥の図鑑を見ることも、自分の中で色あせてしまい、写真を見ると恋しくなっちゃうからと、見なくなる。ああいうのを見ていると、何故かいやされて、スヤスヤ眠れる自分がいるので、ちょっと恨めしい気持ちで、本にチラッと目をやり、開かずに寝てしまう。
 でもです。確か昨年の記憶では、冬には、シジュウカラヤマガラをたくさん見た。コゲラエナガも見た。ツグミも。それを発見した時の喜びや楽しみを思い返すと、もう今からワクワクしてきちゃうのだ。
 冬の楽しみが増えた。
 秋は、決まって体調を崩してしまうが、紅葉し、涼しくなり、服も色々と工夫できて大好きなのだが、冬も楽しみになってきた。
 ああ、早く紅葉も落ちて、むき出しの木に、たくさんの鳥がやってくるのが見られないかなあ〜。楽しみだなあ〜〜。