家族で、泊まりキャンプに行った時も「早起きすれば、野鳥が見られるはずだ」というダンナの言葉を信じて、結局一人、眠い体に鞭打って、頑張って起きた。テントの外に出ると、ゴジュウカラコゲラを間近にたくさん見ることができた。その時にはまだ何の鳥がよく知らなかったので、ひたすら目に焼き付けた。体の中の色のある部分。お腹の色。頭の色。目の周りの色。くちばし。羽の色。それらを目にやきつけて、家に帰って調べる。
 まず本を見て、近いなと思ったらインターネットで検索して、自分が見たのとより近い写真や動画を見つけて、「ああこれだ!」と知る。そして名前を覚える。
 ゴジュウカラは、目の周りの黒い筋と、羽の美しい水色とグレーが混ざったような色、お腹のオレンジから白へのグラデーションがキレイだし、コゲラは、羽の縞々が単調ではあったが、そのたたずまいが可愛い。
 こういったことを繰り返していくうちに、家の近くでも、シジュウカラが行き交っているのが見えてきた。お腹の黒い筋。鳴き声もわかるようになった。よくよく見ると、お腹が真オレンジのヤマガラもいる。電線や近所の庭木にとまっていたりする。えーーこんなに身近に、こんなにも色々な野鳥がいるものなの?!……気が付けば、もう野鳥に夢中。
 ダンナが、花にはこれこれの種類くらいしかないと思っていたというのを聞いた時に「何言ってるのこの人」と驚いたが、私の鳥に対する認識も似たようなものだった。ごめん、ダンナ。雀大の鳥の、何と種類豊富で可愛いことよ。
 近所の大学の敷地を散歩していると、カラスだと思い込んでいたのがタカだったので驚いた。カラスの横で、当たり前な顔してタカがとまっている。敷地内にはコゲラもいるし、シジュウカラヤマガラもいる。そして、エナガを群れ見つけた時には、感激した。背中のVの字模様がとてもキレイ。落ち着かない動きで、小さく、尾羽が長い。丸くてかわいい。東北道のサービスエリアでもエナガを見つけ、家族三人で見守った時は、とても幸せな気持ちになった。エナガの鳴き声は、体の割には少し太めの鳴き声で、よく通る。
 池では、念願のカワセミを見ることができた。ダンナが発見し、木の枝にとまっているのが見えた。目の辺りに白色があり、お腹がオレンジで、翼や背中は、テカテカした青色。飛ぶととても美しかった。花や木で、あんなあからさまな「青色」というものはあまり見たことがないが、その青色が本当に美しかった。オオルリコルリも綺麗なのかな。
 自宅近くを歩いていて、ツグミが木にとまっているのを見つけたこともある。写真だと地味だが、実際に見ると、ツグミの羽の茶色模様はとてもキレイだった。
 それからは、雀サイズのものも、ヒヨドリサイズのものも、ちゃんと色々な種類が身近にいるのだとわかり、それらを発見するのが楽しい。
 近所では、カッコウやウグイス、ホトトギスの鳴き声がすることもあるので、いつか見えないかなあと期待をしている。ダンナは、野鳥が来る庭にしたい、と色々な手段を検討、妄想中。私は別にあえて呼ばなくても良いんだけど。「カラスも可愛いところがある」とか言うダンナの方が、やっぱり鳥好きだと思う。ちなみに、私は、頭に可愛い模様があるキクイダタキを見るのが夢です。あれを発見できたら凄い。あれ?私もやっぱり鳥好きか。