実は私は、『とりぱん』という漫画を読み、鳥をまじまじと見るようになるまでは、街や住宅街で見かける雀サイズの鳥は、恥ずかしながら、全部雀だと思っていた。
 偶然見かけた鳥が、目の周りが白くて「へーあれきっとメジロってやつだな」と思ったくらい。まあセキレイはよく目にすることがあったけど。あとは、街には、カラスと鳩がいるくらいで、色々な種類の野鳥なんて、山や森や林の中に行って、双眼鏡でも持ってじっとしていないと見つけられないくらいだと思っていたのだ。
 関西の実家の庭では、ヒヨドリが鳴き、キジが入ってきたこともあるが、市内では植木の町として有名な場所なので、そんなこともあるのかっていうくらいで。だって、都会近くの住宅街である。雀サイズの鳥が、雀以外に見られるなんて、住宅街ではないことだと思い込んでいた。
 ところが、『とりぱん』を読んでから、次々と色々な鳥を発見することになった。
 そんなに簡単に雀、ツバメ、ヒヨドリ、カラス、鳩以外が、見られるはずもないと思っていたのものだから、本当に驚いた。そう、セキレイにしても、せいぜいハクセキレイが歩いているくらいで、それもそんなに頻繁に見られるものではないと思っていたし。『とりぱん』の作者の庭に、アカゲラアオゲラを始め、様々な鳥が来ている様子を読んだ時も、きっとすごく山奥の田舎なのだと最初は思っていた。
 でも、違った。いや、作者の家は田舎ではあるが、住宅街でもある。そして、私の周りの環境。やはり田舎ではあるが、住宅街である。そして、東北という土地柄。ちょっと関西の実家とは違う種類の鳥も頻繁に見られるようである。
 前住んでいたアパートには、キセキレイがよくいた。最初は、駐車場の車のサイドミラーにとまっていたのを見て「わあキレイ!」と思わず声をあげた。その後、洗濯物を干したりしている時など、朝の時間に、キレイな鳴き声がすると思って、その元をたどっていくと、キセキレイであった。お腹の黄色から白に変わっていくグラデーションがキレイで、何度も双眼鏡で見とれた。そう、双眼鏡……。ダンナに乗せられて買ってしまった。割と近くにとまっていたキセキレイを双眼鏡で眺めまくり。
 又、ある朝、突然気になった鳴き声。気になって調べると、カワラヒワだった。自分の感じた鳴き声を入力して検索すると、意外と見つかってしまうものです。日本人の擬音語って面白いですね。
 カワラヒワは、近くにある某大学を散歩していると、結構見かける。数メートル先に見た時には「わっ!キレイだし可愛い!」と驚いた。でも、春からは食傷気味に見ることになる。キリリコロロと可愛い鳴き声と、ちょっと間抜けな頭。そして翼のきれいな黄色。時々ジュイー!とも鳴いている。
 その後、その敷地内の木や池で、たくさんの野鳥を見ることになる。