帰宅後ずっと、息子が幾ら寝ても「眠い」、「頭が痛くて、気持ち悪くなる」と、何日も訴え続けていました。
 それが、5日ほどして「吐きそう」に変わりました。
 風邪かな?胃腸炎かな?でも熱もないし、病院に連れて行っても、喉は何ともない、胃腸も、触診などで、それほど悪くないようだと言われました。ストレス性の胃炎?私が落ち着いてきて、ようやく、息子の、ストレスの膿が出てきた感じです。やっと「心配だ」という気持ちを表して良いという、言葉にしつくせない感情が出てきたように思いました。
 少し離れても、すぐにそばにいてほしいと言うようになりました。睡眠時間は元々短めで、昼寝もしない息子が、昼間に寝込みました。そして夕方と、夜に吐きました。
 翌日も、気分が悪いと言って、何もできません。食べても吐いてしまう。少しずつ水分を摂るしかなく、どうしたものかと困りました。このまま続けば点滴だよな。でもストレスに違いないから、色々話してみようと、息子が何に一番引っかかっているのか、できるだけあれこれと話題にして、ドンピシャを探りました。色々な話をしました。話していると、色々考えをめぐらすからか、途中で吐き始めたりします。そうか、考えをめぐらすこと自体も辛いんだなと思いました。本人は「余震が心配。あと、色々な可哀相な人がいるのを見ると辛い。」といったようなことを言いました。おでこの丁度目と目の間、真中辺りが痛いと言うので、昔テレビで観た、仏像の「第三の目」についての話もしました。別に信心深くもないんだけど。地震当日に、学校で待っている間、心細かったであろうことや私が泣いてしまって心配をかけたことなど、私自身がひっかかっていることも全部話しました。話は、夫の仕事のことにまで及びました。
 命の話もしました。今回の地震津波で、悲しい思いをした人たちを観ていると、家や家族をなくした人たちは辛いね、命ってはかないね。「はかないって何?」と言うので、わかるような言葉で説明すると、そうだね、と青い顔でしんどそうに答える。それが一番引っかかっているのかなと思いました。カウンセラーなら、こういう時、何と言うのか?
 色々な本の知識が走馬灯のように駆け巡りました。
 でも、子供の心の問題に、一つとしてまったく同じケースはなく、メカニズムは学んできても、今の我が子に対して、何をしてやれば、何と言葉をかけてやれば良いのか。私の本気の言葉って何だ?わからない!!この子のストレスを、何とかしてやりたい、頭を抱えたい気持ちで色々思い巡らせました。そんな中で、かろうじて思い出したことがありました。兄弟姉妹の感情についてです。