傍から聞いていると、ちょっと面倒くさくなるような友人関係の話が続いたが、次は気楽です。
 アルバイトは、大学生になる頃から始めた。スーパーの品出しに始まってからは、アイスクリーム屋の店員と塾講師、が比較的続いたアルバイトの仕事だった。そしてその後、某デパートの、ケーキ屋のアルバイトをした。ここで、今も、年賀状のやり取りだけだが続いている、という I さんがいる。
 時々、ここに「年賀状のやり取り」だの「クリスマスカードのやり取り」だの書いていて、その年賀状やクリスマスカードが、私にとってどの程度の位置にあるのかと思われるだろうから一応書いておこう。クリスマスカードは、クリスチャンでもないので、ただあの素敵な飾りつけや可愛い雑貨にすぐ目がハート型になってしまう私の趣味を理解してくれる相手にだけ送っている。あとは、数少ない外国にいる知り合いに出すくらいですね。クリスチャンである、ないなどと、やはり外国の方は気にするので、年末のシーズンカードという感じですね。年賀状に関しては、前は数多く出していたが、今はどんどん減っていて、自分が本当に出したいと思う人だけにしている。ので、年賀状をやり取りする=どうしても気になる人で、義理堅く多くの人には出していません。ただ、義理とか関係なく、親戚たちには、できるだけ挨拶をしたいとは思っています。
 で、その I さんだけど、色白で小さい人で、大人しいんだけど、どうにも笑いのセンスが合うみたいで、一緒のシフトに入ると楽しみで仕方なかった。まあ元々が大人しい子なので、8割、私が喋っていたんだけどね。でも、「面白い」「可笑しい」と思うことが似ているので、ちょっと何かを言うと、すぐウケてくれて、 I さんもまた似たような面白い話をかぶせてきた。同じフロアで働くオバちゃんたちの中にもネタになる人がいて、 I さんと「今日はあの人があんなことをした」だの「こんな発言があって笑いをかみころした」だの、失礼なことを言っては、肩を震わせて笑っていた。当時は今より店員に対する教育が厳しかったように感じるが、今がどうなのかな。よく知らないけど……。とにかく、私語は慎むべしといった風潮だったけど、 I さんとは、二人で並んで客が歩く通路の方を見ながら「魚鳥木申すか申すか!」とか言って(「山の手線ゲーム」みたいなものです)、下らない種類の物を探しては、声を押し殺しつつ、時々身体を折るくらい、笑い転げていた。
 そんな彼女は、私が結婚した頃、「おめでとう」と、彼女が当時働いていたタカラヅカグッズの店の、ど派手なポストカードでメッセージを送ってきてくれた。「別にファンでもないけど、この写真ウケるでしょ」という理由で、タカラヅカのどなたかの、ゴージャスでまばゆいばかりの写真であった。
 彼女には、ダウン症の息子さんがいる。元々がとても大人しい彼女は、葛藤をあまり私に打ち明けることはないが、一生懸命子育てをしている様子は、目に浮かぶ。子供がお互いできてから、二度程、会ったが、彼女の奮闘ぶりも伺えたし、その様子を見て、この息子クンは、彼女を選んでやってきたんだろうなあと、心から彼女の奮闘ぶりを尊敬した。多分、特別扱いはいやだろうから、ことさら強調してはいけないと思いつつ、気にはなっている。今はまだお互い、自分の子供の年齢が近くて、遠慮するところも多いので、そういう気遣いを取り払えるようになったら、会ってじっくり喋りたいなあと思っている。きっと色々笑い話がたくさん出てくることだろうと思う。