息子は『くまのプーさん』のキャラクターもお気に入り。
 元々好きな要素が息子にはあった。
 生まれて一ヶ月以内に、私の母にプーさんのぬいぐるみをプレゼントされ、訳もわからず、枕もとのプーさんを眺めていることが多かった息子。以前もここのエッセーで書いたことがあるが、店に置いてあるピグレットのぬいぐるみを離さなくなり、あまり物に執着のなかった当時、その行為が珍しくて買ってやることになった。ピグレットはこぶたちゃんで、プーさんに出てくるキャラクターの一つだ。
 一時、もうプーさんもピグレットも卒業!添い寝もしなけりゃ旅行にも連れていかないもんね、なんて強がっていたこともあったが。
 今回、プーさんの話を聞いていると、話の中にプーさんが出てきたり、ピグレットが出てきたりするわけです。それが喋ったり歌ったりするものだから、もうたまらんわけだね。また、枕に並べて「プーさんとピグと、ミツは、三つ子なんだよ。」とか「ピグに‘こうやって寝るんだよ’って教えてやってるんだ〜。」なんて言って、目をつぶって見せている。そのうち本の影響のため、「ピグ」も「コブタちゃん」と呼ぶようになった。
 さらに、この中の「カンガ」というお母さんカンガルーと、「ルー」という子供カンガルーがいて、このぬいぐるみも買ってしまった。ディズニーランドに連れて行った時、お土産屋さんで、「どれか一つ、これで買える物で、好きなお土産を選んでごらん」と1000円札を渡すと、カンガが、ルーを自分のお腹のポケットに入れているぬいぐるみを選んだ。これがまたお気に入りで、一緒におでかけしたりする。
 プーさんの話は、クリストファー・ロビンと称する男の子、のお父さんが作ったらしい。クリストファー・ロビンの持っていたぬいぐるみ、プーさんやピグレット、イーヨーなどを使って、話を作っていた。その、お父さんがしてくれる話の中に、お父さんが勝手に息子、クリストファー・ロビンを登場させたりして、聞いている彼をとても喜ばせるようなのだ。この本を読んで何よりも強く感じるのは、本を書いた人の、息子への愛情だ。本を書いた当時、このくらいの子供がいて、その子供がどんなことを言えば喜び、どんなことを話せばわくわくするのか、知っているのを感じられる。そういった父親の気持ちを感じ、息子がどんな風であるかを想像しているだけでも、胸がほんのり温かくなる。どうやら年は、私の息子と同じ頃のようで、喋り方、まどろっこしい話の進み具合、質問の切り口などが、ちょうど同じ感じ。息子はそれに共感するのか、割合長い話を横で聞いている。しかも長いし、章に分かれているので、日々少しずつ読む、という幼児にしちゃ高度な(?)ことをやってのけてくれているのだ。
 珍しい!……そして嬉しい。お話に夢中になってくれる。
 聞き終わった後は、色々感想を述べながら、自分のプーさんとコブタちゃん、カンガとルーを使って、お話を再現して見せてくれたりする。ものすごく集中して聞いているわけでもないのだが、ちゃんと頭に残るらしい。