高校の頃、親しくなった友達のうちの三人が漫画好きだった。
 一人は、完全に恋愛よりで、読む小説も恋愛よりの物だったので、ちょっとは一緒になって楽しんだが、入り込むことはなかった。あまりにも恋愛一辺倒で推してくるので、そこは勘弁してよと逃げた記憶があります。
 別の一人は、弟がいて、かなり少年漫画寄りの好みだった。『ミスター味っ子』とか『漂流教室』を読んでは、なんだかんだと感想を言い合った。『漂流教室』に関しては、アメリカで手に取った日本の漫画『まことちゃん』の作者だとわかり納得。あまりタッチは好みではなく、幼い頃も『まことちゃん』が大嫌いだったのだが、『漂流教室』は、そのストーリーにハマった。本当のことを言えば、怖かった。どうなっていくのかと終わりまで読まないと怖くて読むことをやめられなくなった感じである。
 もう一人とは、かなり漫画の好みが合った。彼女も医者の娘であったが、おそらく私と同じくらい勉強をせず、私以上に漫画を読んで詳しかった。何故か彼女と漫画の好みがとても合い、『タッチ』の新巻発売日には、二人で本屋に駆け込んだ。『エイリアン通り(ストリート)』や『サイファ』にもハマって、どちらもまあ恋愛寄りなのだが、どっぷり恋愛でもなく、友情面も強いので、面白かった。『動物のお医者さん』も彼女が読んでいたので知ってはいた。当時の私はそこまでは好きになれなかったが、後に私も読み込みます。今は全巻持っている。彼女は、他の漫画もたくさん読んでいたが、私は音楽とか小説とかにも熱心だったので、一つのことに趣味が傾けられず。
 大学に入ると、『白鳥麗子でございます』くらいで、あとはあまり熱心には読んでおらず、アメリカに友達と住んだ時、その友達が割と漫画が好きで、一緒に『ホワッツ・マイケル』や『ちびまるこちゃん』を読んだ。
 そして、夫と知り合った。夫は、結構な漫画好きだと思う。
 夫のおかげで様々な漫画と知り合った。本も雑誌も夫の読む量にはかなわないけど、漫画も相当かなわない。
 夫が大好きな『柔道部物語』も熱心に読んだし『ピンポン』も面白かった。『ぼのぼの』も笑いながら読んだし、しりあがり寿の『ヒゲのOL薮内笹子』なんかはとてもツボでやみつきに。石川雅之の『週刊石川雅之』には、お腹を抱えて笑い、今でもお気に入りである。他に『クロマティ高校』もバカみたいで大好きである。今でも読むと、時々笑いが止まらなくなり、笑い過ぎて夫を置いてけぼりにしてしまうことがある。
 で、息子は『ぼのぼの』が初めての漫画である。何故かアニメにまったく興味を示さない息子なのだが、漫画は手に取った。わかりやすい絵だったからなのか、何故『ぼのぼの』なのかわからない。『ぼのぼの』は、ラッコが主人公の、基本四コマ漫画だが、大きく章に分かれていて、内容は下らないと思いきや、哲学的なところがあって、笑えるところも物悲しかったり、かなりの味わいを感じる深い漫画なのだ。