いきなりだが、パンツの話である。アメリカ人や若い人が言う「パンツ」ではない。下着の「パンツ」の話だ。
 早速どうでも良い話。小学生の時の塾の男の先生が「パンツとパンティーは違うねんで。どう違うかわかるか?」(先生がおそらく思っていたところの「パンティー」をちょっと連想させる図形が面積の問題だったのだ)と聞いてきて、皆が黙っているとニヤニヤしながら「まあええわ。」などといった発言にゾッとしたのを思い出した。そのことだけではなかったが、この先生はこれをきっかけに大嫌いになったのを覚えている。これは本当に気持ちが悪かった。
 女性もののパンツは、皆どんな基準で選んでいるのだろう。どこで買うのか。スーパーのパンツコーナーでしみじみ選んでいる人を見たことがない。そういう私も通販である。割と下着のクオリティに定評がある某通販会社で、毎回お世話になっている。私はお尻がでかくて太ももがふっといので、小さめのパンツは、間違いなく太ももの付け根を締め付ける。締め付けた結果、どうなるのかと言えば、皮膚が炎症を起こして、おできができる。それはそれは痛くてつらいので、パンツは大きめ!で、綿100%!!と決めている。こだわりではない。太さと肌がそれ以外を受け付けてくれないのだ。
 それでも、そんな中でも可愛い柄のパンツは魅力的なのである。あれは完全な自己満足ですね。可愛いパンツをはいた方が気分が良い。それも、はく瞬間だけ。はいちゃったら、今日どんなパンツをはいているかなんて忘れている。今も自分がどんなパンツをはいているかなんて思い出せない。少ない数をヘビーローテーションするのではなく、割と多くの数を使い回してヨレヨレになるまで使うので、いちいち覚えていない。
 お年頃には、左右両側の幅が細いパンツがカッコ良く感じて好きだった。何故今はかないかと言えば、お腹が冷えるからだ。可愛い腹巻もたくさん出ているけど、冬なんかは腹巻をしたって間に合わない。というか、お腹も覆うパンツは、腹巻にも勝てるほど温かい。これに腹巻をつけたら無敵である!
 若い頃の話がしたいのに、ついつい今の話になってしまう。
 若い頃そんな風に、お腹までを覆わないタイプの細いパンツをはいていた。それでも今ほど冷えたりなんかしなかったのだ。柄はもちろん可愛いのが好きだった。でも、若いと言っても大学生くらいになってようやくだったんじゃないかな。私はとにかく大雑把で面倒くさい方なので。高校生いっぱいくらいまで、母が買ってくれていた柄のない真っ白の、お腹をひろ〜く覆うゆったりパンツみたいなのを平気ではいていた。それで大学生になったら突然、可愛いパンツをはいた、というくらいくっきり分けていたかどうかは忘れたが、だいたいその頃が境目である。そして、かわいいパンツを買ってもらったからと言って、ゆったりパンツをすぐ捨てるということはできなかった。もったいない。
 だから、時々はいていた。はけなくなるまではくんだ!……とは言っても、可愛いパンツをはく時の「わーい。可愛いなあ〜」という気持ちを知ってしまったからには、その真白のゆったりパンツは、はく回数が減っていったことは間違いない。