32歳の頃だったか、1歳半の息子も伴い、やっと今の土地に引っ越し。
 でも、夫の仕事先の官舎で、アパートだったので、まだ今現在には至らない。札幌を出ていく時、子供が小さかったので、荷物のほとんどを会社におまかせして、何もせずに出た。
 新千歳空港からの飛行機では、それまでの飛行機では、ほとんど泣いたことのない息子が、飛行機に乗っている間中、泣き通しで、こちらまで汗だくになった。
 アパートには、家具が少し備えてあったが、家具は自分たちで持ってきたのがあったため、別の部屋に移してもらった。
 しかし、電化製品は、置いてある備え付けのを、できるだけ使って下さいと言われていたので、ほとんどを札幌に置いてきて、アパートのを使った。でも備え付けのは古い物が多くて、何度も修理に来てもらったり、苦労した。
 で、やっと、今回の引っ越しである。
 これが、土地探しと、家建築という、初めての経験ばかりで、私にとっては大変な!一大事であった。
 「新しい家に住んでいる人は、お金持ちなんだ」とか思っていた時期が昔はあったけど、建て始めるより前辺りで、逆であることに、すぐ気付く。家や土地を買った人は、お金がない!だって、大金を払ったところなんだから!そして、一度で全部支払える人なんて、ほとんどいないから、皆ローンを組んでいて、多くの人が借金をしているのである!ローンに追われる!お金なんかない!!
 家を建てること。それは、お金がなくなることである。
 新築の家に住んでいる人。それは、かなり貧乏な人たちのことである。
 少なくともウチはそうだ。
 さらに、庭のこともある。
 庭のことには、まったくと言って良いほど、興味がなかった。草花なんかは、見ている分にはきれいだけど、育てたところで、必ず毎年成長していくわけではなく、雪の降るこの土地で、一年経ったら、また1からというのが基本。そんな無駄なこと、大嫌いな虫と格闘しながらなんて、やりたくなーい!
 特に何もしないでも、ただすくすくと成長してくれる木だけは、何本か植えようと思っていた。庭はそれでヨシ!
 そして、「庭はそれでヨシ!」じゃなかったのを知ったのは、引っ越してからのことだ。
 庭のことも追々書いていく。
 とにかく、家を一軒建てるということが、どんなに大変なことか、建ててみて初めてわかった。今になって、建ったのは良いけど、お金がなくなるし、何か良いことはあるのか、人に勧められるのか、と言われたら、まあ勧めたいです。良いことがあるのか、とかいうより、とにかく快適で開放感があります。ただ、ここにくるまでの過程が大変でもあります。